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 県境稜線の旅

三国岳〜尼公峠
概要  尼公峠は、福井県おおい町の川上から、綾部市(尼公谷)へ抜ける峠である。峠には、首のないお地蔵さんが祀られている。
 三国岳からの県境稜線は、一旦おおい町川上で県道(佐分利街道)を横切り、再び登り直して、尼公峠に至る。三国岳からは、老富町へ下る登山道(送電線巡視路、地図に記載なし)がほんの少し県境稜線を通っているが、その先については、一部送電線巡視路がある他は、道はない。途中、高浜町の関屋集落から、老富町の市茅野及び小唐内集落に続く峠道が2箇所県境稜線を横断している。このコースを歩くとすれば、藪漕ぎが必須で、また、P545付近の地形が複雑であるので、しっかりとした読図力が要求される。
 一方、永谷坂(佐分利街道)〜尼公峠の間は、地図で見ても地形はとても複雑である。踏み跡程度の道がかろうじてあるが、藪がかぶっているところもある。美しい林があったり、熊笹の中を歩いたり、また、藪尾根であたりと、変化に富んでいる。また、間違いやすい所も何箇所かあるので、注意する必要があるが、標識や虎テープが付けられているので、それを目印にすると良い。なお、途中、青いビニール紐による目印が付けられているが、これは山仕事用のものらしく、これにつられて歩くと、違った所に導かれるので、注意が必要である。また、途中には、菅の坂の峠道が通っており、峠には、お地蔵さんがひっそりと祀られている。
 以下に、@逆コースとなるが、永谷坂〜三国岳のコースと、A永谷坂〜菅の坂〜尼公峠のコースをわけて紹介する。
コース案内 @永谷坂〜三国岳
 おおい町川上の集落から、佐分利街道を県境に向かって走り、県境右手のお地蔵さんの裏手が、県境稜線の入口となる。ここから斜面途中にある墓石を右手に見ながら、急な斜面を直登する。5分程で支尾根に出て、そこからは、雑木と熊笹の中の尾根歩きとなる。この辺りから虎テープによる目印が現れるので、この先も三国岳まで参考にするといい。
 尾根は、自然林と、杉、桧の植林が交互に現れ、コブを越えながら登って行く。途中、右、左から尾根が合流するので、注意をしながら進む。380mピークの登りは、藪が濃く、少々難儀するが、このピークを越えると、きれいな尾根道が現れ、やがて、送電線鉄塔に着く。ここまで、登山口から約40分である。
 ここからは、送電線巡視路となり、急な階段となる。しばらくで、三国岳方面の視界が広がり、鉄塔から10分で、P474の肩に着く。ここで、県境は左に大きく曲がり、巡視路も左に続いている。このあたりは、きれいな広葉樹の林が広がっており、気持ちが良い。P474から5分程で、尼公峠方面の視界が広がる地点に着く。ここは、要注意の地点で、巡視路はまっすぐ伸びているが、そのまま進むと、市茅野方面に下ってしまう。ここには、火の用心の標識があるので、右手に折れて、斜面を下っていく。道が続いており、5分も下ると、高浜町関屋から市茅野に越える峠に着く。ここには、良く探すと以前お地蔵様が置かれていたと思われる石の小さな台座がある。
 ここからは道はなくなる。5分程斜面を登ると、左手から小唐内から登ってくる尾根道が合流し、この道を右手に下っていく。しばらくで、関屋と小唐内を結ぶ峠に着く。この峠には、関屋側から道が登ってきており、この道が県境稜線に続いている。
 この峠から稜線を登り出すと、すぐに道はなくなる。地図では、大唐内に続く道が、尾根の左側をトラバースしているので、道は尾根の左に消えたのかもしれない。稜線は、大変な急登で、木を掴みながら、急斜面をP545に向かってよじ登っていく。30分程、ひたすら高い所を目指して登ると、P545に着く。ここからは、青葉山が手に取るように見える。
 このピークからは、稜線を外さないように下っていく。10分程下ると、鞍部に着くが、このあたりは、広い平地となっている。このあたりは、行く方向が定めにくいが、右手の小高い尾根を目指して登る。小さなコブを越え、鞍部から15分も進むと、道らしきものが現れ、稜線もはっきりしてくる。先ほどの鞍部から25分ほどで、左手から、大唐内からの登山道(巡視路で、地図には記載なし)が合流する。すぐに、高浜方面の展望の開けた地点を通過し、合流点から5分で三国岳山頂に着く。



A永谷坂〜菅の坂〜尼公峠
 おおい町川上の集落から、佐分利街道を県境に向かって走り、県境を越えたすぐ左に農道があるので、それを左に入る。入ったすぐの所に、車は2〜3台駐車できる。
 ここから左手の竹林の中に県境尾根があり、入口に標識がある。竹と熊笹の急斜面を登ると、赤松混じりの杉林となる。10分弱で、小尾根に乗り、ここからは自然林の中、なだらかな道となる。このあたりは、獣道のような道があり、やがて杉林に入ると、412.2mの三角点のある妻谷尾に着く。
 ここからは、道は右に曲がり、植林の中を下っていく。鞍部に着くと、ナラなどのきれいな林となる。倒木が多く、歩きにくい所もあるが、ゆっくりと登っていくと、イワカガミの群生地や、きれいな林などが現れる。
 やがて、左からの尾根に合流するが、ここは逆コースからの場合、間違い易い地点である。標識を設置しているが、注意が必要である。永谷峠からの場合、ここを右折して、進むと、520mのピークに着く。
 ここからは、下生えが少し邪魔になり、急な下りとなる。松と杉の混在するようになるが、5分ほど下った地点で、右の尾根に入る。まっすぐ進む稜線が明瞭なので、気をつける必要がある。右の尾根に入ると、幅広い、きれいな林の急斜面を下る。鞍部では、右手に綺麗な林が広がる。
 この先、何段階かの登りがあり、平坦な尾根を経て、最後の登りを登ると、574.3mの鳩ヶ峰に着く。ここには、三等三角点があり、京都側の山々の展望が良い。
 ここから県境稜線は、山頂手前10m程のところを左に入るが、ちょっとわかり難い。標識もあるので、慎重に確認してほしい。南西に伸びる尾根が明瞭で、しかも刈り込みがしてあるので、こちらに誘い込まれやすい。
 左に入り、熊笹の急斜面を下り、獣道程度の踏み跡を頼りに、一部藪漕ぎをしながらさらに下っていく。この辺りは、楽しくないところである。鞍部になり、その先小さなピークを越えた所が、菅の坂である。ここには、お地蔵様が祀られており、その上に標識もある。福井県側は、ジグザグに下る道があり、ちょっと下ると、妻谷尾林道に出る。林道から下は、道が崩れているようである。一方、京都側は、右手の尾根を巻くように道が続いている。
 菅の坂からは、ちょっと登り、左手に曲がる。この辺り、右手には、気持ちの良い林が広がり、左手は、植林の間から若狭湾が眺められる。その先急斜面を登ると、525mのピークとなる。右手には、広場のような場所があり、ここを左折する。逆コースの場合、直進しないよう気をつける必要がある。
 この先は、左が植林、右が自然林となるが、次の小ピークを越えると、また自然林の綺麗な林となり、ここを下っていく。急斜面となると、また植林がでてくるが、下りきると再び綺麗な林となる。左手には、一段下に平坦地がある。ひとつピークを越え、下ると峠のような地点に着く。左手すぐに林道が見え、尼公峠かと思うが、峠はこの先のピークを越えた所である。
 この先のピークには、四等三角点があり、藪っぽい所を下っていくと、尼公峠に着く。ここには、首のないお地蔵さんが祀られている。なお、峠のすぐ下には、林道があり、林道を横切って下れば、30分ほどで、尼公峠の登山口に着く。

参考タイム @永谷坂〜三国岳
永谷坂→(50分)→P474→(10分)→市茅野分岐→(10分)→小唐内分岐→(30分)→P545→(40分)→三国岳
(注)逆コースの場合は、トータル的には、20分程短い時間で歩ける。

A永谷坂〜菅の坂〜尼公峠
永谷坂→(20分)→妻谷尾(P412.2)→(40分)→P520→(45分)→鳩ヶ峰(P574.3)→(15分)→菅の坂→(20分)→P525→(40分)→尼公峠
(注)逆コースもトータル的には、同じ時間で歩ける。
地図
参考
リンク
尼公峠への道としては、以下の記録も参考となる。
   http://page.freett.com/y_ogawa/nikotouge.htm
(以下の情報は、あくまで山行時点での様子です。現時点でどうかは不明です。)